42 ちゃんとしたG
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【閲覧注意：今回の内容は蟲の話です】
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仕事でいやなことがあった帰り
コンビニでIQOSのパープルを買ってすぐ吸った
田舎なので入口の近くにはベンチがある
そこで溜息をつきながら吸うたばこは
いつもと何も変わらなかった
家まで歩いて帰ってドアを開けると
僕以外の家族は寝静まっていた
パチリ、と電気をつけて
先ほどコンビニで買ってきたアイスを冷凍庫に入れた
夜食のスープDELIのためのお湯を沸かした
ここまではいつもの流れだ
やっと一息つける…
そう思って椅子に腰掛けようとした時だった
視界の右端を黒い影がサッと通り抜けた
それが何なのかは直感でわかった
嫌なことは家まで続くようだ
多数の配線がある部屋の左端を上から覗き見る
いない
扇風機につながっているコードを使って
索敵を始める
何回かコードを左右に揺らすと
カサカサカサ…とやつは現れた
久しぶりに見たそれはちゃんとしたごきぶりだった
予想を少し上回る大きさを目にして後ずさる
早速ゴキジェットを取りに走る
実際は時間帯を考えて静かに歩いた
玄関には普通のゴキジェットと
待ち伏せ用のスプレーがあった
とりあえず出てくるであろう場所へ
サッカーのペナルティエリアのように
四角く待ち伏せ用のスプレーを撒いた
今回は全く使われずただシンナーのような香りを
部屋に充満させただけだったのだが…
後は出てくるのを待つ
さすがにルーターにゴキジェットを
ぶっかけるのはだめだということは分かる
サーッとペナルティエリアから飛び出してきた
すかさず構えていたゴキジェットをぶっかける
ひっくり返るごきぶり
バタバタバタバタ
平泳ぎの倍速映像のように動き回る
バタバタバタバタ
バタバタバタバタ
……
やがて静かになった
一応紙を丸めて叩いてとどめを刺そうと思ったが
新聞紙やチラシが見当たらない
そこで僕は6月になったままのカレンダーを見つける
ビリッとそれを破いた
当たった時の感触が硬くなるように細く細く折る
竹で出来た定規のような形になった
微かにもがいている
そこで講談の如く二連続で床を叩き
とどめを刺すことに成功した
ゴキジェットを歩いて取りに行ったのは
何だったのだというほど激しい音が鳴った
そこでようやく全ては終わった
久々に家で見たごきぶりにまじでびびりましたね
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読んでくれてありがとうございました
☘埜口のぐ👄
